22日目|ついに奇跡が…
今日でステイ先の滞在最後の日だから、帰国の日程を確認しよう…。
そう思って、カレンダーを見ると、飛行機が明後日の便だった。
あれ。明日じゃなかったっけ?ホストマザーにもそう伝えたかも…。
やばい、完全に勘違いしてた。
焦ってホテルや飛行機の予定を全部確認したが、全て明後日出発の日程で予約が取れていたので一安心。
本当にただの勘違いだった。
ホストマザーが帰ってきて、明後日出発だったことを伝えると、ホストマザーは知ってたみたい。
ということは、最初は日程を正しく把握していたけど、時差でどこかで混乱して入違ったのかも。
それはというと、最近そういうミスがやたらと多い。
昨日、帰国後のある予定をダブルブッキングしていた事に気づいた。
別日と思って2つ予定を入れてしまっていた。
さらに今日、オンラインインタビューの依頼の連絡を貰っていた事を忘れていて、先方から再度連絡があった。
これは時差の言い訳が出来ない、私の完全なミス。
もしかして私、気が抜けてる?
日本に帰ったら、現代人らしく忙しい日が始まる。
早く色んなボケを直しておかないと。
今日の仕事は床と階段の掃除。
家の掃除も終盤。気持ちを込めて丁寧に掃除した。
夜はホストファザーが初めて作ってくれたスパゲッティ。
「彼はこの料理が得意なのよ」とホストマザーが言っていたが、ホストファザーは材料を切って、あとは自動調理器に入れるだけ。
これで得意料理と言っていいのか。
そんな愚問はさておき、美味しい。
具はムース、トマト、マッシュルームに、庭で採れたにんにくと玉ねぎ。
昨日作ったブレッドにも合う。
夜、学校の先生であるホストマザーが、ある提案をしてくれた。
「明日学校であなたたちのことを紹介してほしい」
あまりに突然で正直驚いたが、こんなチャンスはそれこそ留学じゃないと滅多にない。
私と彼氏は二つ返事で承諾した。
テーマは私たちがワークエクスチェンジで利用したhelpxと日本について。
ホストマザーは、生徒たちに世界を旅してほしいと思っているそうだ。
プレゼンなら彼氏が得意なので、任せることにしたが、つい細かいことが気になって口出ししてしまう。
自分は考えてないのに口出ししちゃダメだ、と自己嫌悪に陥る。そんな事が何度かあった。
私は人と仕事するのが下手くそだ。
やるなら一人で一から全部やりたい。
でも頭が良くないから、一人では精度の高いものを作れない。
この矛盾が、自分を苦しめている。
でも一人よりチームでやった方が、スピードも質も高まることは、去年のインターンで学んでいる。
チームで成果を出せるように鍛えないといけないな。
そんな事を考えてるうちに、デキる彼氏はプレゼンの大半を完成させていた。
私もいくつかのセクションを手伝いつつ作業を進め、気づけば日付が変わっていた。
そして沈むように眠った夜。
5時ごろ、ふとトイレに行きたくなって外に出ると、満月の空を、白い光が覆っていた。
月の光…?
トイレから戻ると、緑の光に変わっていた。
やっぱりオーロラだ。
彼氏を起こしてオーロラ鑑賞。
今までオーロラがあると分かっても、白い光しか見えなかったのに…。
それから眠くなったので、ガレージに戻り眠った。
今朝は学校でプレゼンがあるので、いつもより早めの7時半頃起きた。
まだ外は真っ暗だった。
そして外に出ると、紛れもなく、オーロラが踊っていた。
運命としか思えない。
最終日直前に、こんなに綺麗なオーロラが見れるなんて。
しかも昨日、ホストマザーが学校でのプレゼンを提案してくれていなかったら、こんな時間に起きることはなかった。
ありがとう。
氷点下の空の下、こっそり1人で泣いた。
23日目|学校でプレゼンをする
今日は学校でプレゼン。
高校生くらいの生徒10人の前で発表する。
発表の前に、クラスの担任と思われる先生に会った。
とても気さくに話してくれて、来年の修学旅行は日本にしようか考えていると教えてくれた。
それは日本の魅力をしっかりプレゼンしないといけない。
フランスの出身で、元々英語は話せなったらしい。
それでカナダで先生になっているんだから尊敬する。
発表の準備を終えると、間もなく生徒が教室に入ってきた。
挨拶すると、ニコっと微笑んで返してくれた。少しシャイな子が多めかな。
皆着席して、いよいよ私たちの発表。
彼氏がさすがのプレゼン力で、導入を上手くしてくれた。
私もなるべくカンペを見ない様にと思ったけど…緊張すると、余計英語が浮かばないもの。
視点がほとんど画面のまま発表が進んだ。
それでも、生徒たちに問いかけて参加してもらうのは頑張ったと思う。
発表が終わり、質疑応答に移った。
1人積極的に質問してくれた生徒がいて嬉しかった。
他の子も、手は上げずともしっかり話を聞いてくれている様子だった。
でも彼氏が私指名の質問以外、全部答えたのはモヤっとした。
まあ私も上手く答えられなかったから仕方ない。
そう思う事にして、悔しさを次に繋げよう。
発表が終わると、給食も一緒に食べさせてもらった。
ここの学校では、週何日か先生が家で給食を作って持ってきて、皆で食べるらしい。
何となく予感はしていたが、子どもが好きそうなジャンキーな献立。
ポテトサラダは日本と違って甘くない。オニオンリングはほとんど揚げカスだった。
時間が無くて食べれなかったけど、生徒が作ったクッキーもあった。
このクッキーを作った生徒が、午後から明日の給食用のブラウニーも作るらしい。
このルールにとらわれない自由な校風、少し羨ましくなった。
給食中も、何人か先生や生徒が話しかけてくれた。
がつがつはしていないけど、とても温かい人が多い。
ますます、アトリンを離れたくなくなった。
24日目|アトリンとお別れ
今日はいよいよ最終日。
後ろ尾を引かれながら、1か月お世話になった家を出発した。
初日に訪れた湖にも立ち寄ってくれた。
初日とは全然様子が違っている。
色んな表情を見せてくれる自然。
今後の姿も気になるけど、見れないのがちょっぴり寂しいなあ。
約2時間後、ホワイトホースに到着。
まずお昼ご飯。
一度私が行ってみたいと言っていた、日本食のレストランに連れて行ってくれた。
店員さんは日本人で、日本語で話せた。
1か月ぶりの日本語での会話で、不思議な感覚だった。でもやっぱり安心。
店内に飾ってある絵が独特。カップラーメンを持った舞妓さんとか。
外国人から見た日本ってこんなイメージなのかな。
メニューは寿司、丼ぶり、麺類まで、ジャンル問わず日本にありそうなメニューが集まっていた。
でもよく見ると、マンゴーやクリームチーズ、サーモンの天ぷら入りの寿司など、変わり種の種類もちらほら。
大好きなクリームチーズと、カナダで食べたかったスモークサーモンが入ったSushi Rollを注文した。
他の種類を彼氏が注文して半分ずつ食べた。
クリーミーで、濃厚。
外国の日本食レストランの味を試してみるくらいの気持ちで行ったが、実際日本にこのお店があったらこれを食べるために通いたい程クセになった。
また、お店に入ったときは空いていたが、正午を過ぎた途端お客さんが一杯に。
お店の外まで順番待ちしているようだ。
日本の味が世界に認められる感じがして、何だか少し誇らしい気持ちになった。
昼ご飯を済ませ、お土産店に連れて行ってくれた。
お土産ならなんでも揃っている。
迷ったあげく、メープルティーとアイスワインティーを購入。
ティーパックなら人に配れるし、何より家でカナダを思い出し感傷に浸るのにちょうど良いだろう。
お土産店を出て、スーパーへ。
帰国時の食料として、6個入りのベーグルを購入。空港は物価が高いからね。
そして以前調べて気になっていた、生理用カップDiva cupを購入した。
生理用カップはカナダ発祥らしく、ナプキンを買う必要が無い。
そしてこれがあれば、生理中でも温泉に入れるし、旅に行くときもかさばるナプキンを持っていく必要が無い。
使用感等は、後々レビューしたいと思う。
買い物も終わり、早々と空港へ。
名残惜しいけど、ホストファミリーも日が暮れる前に家に帰らなければならない。
遅らせる訳にはいかない。
空港に着いた。
ここでホストファミリーとお別れ。
「Do you wanna hug?」ホストマザーに言われ、「Yes!!!」と叫んだら、笑われた。
そしてホストマザー、ホストファザーとハグをして、車が見えなくなるまで手を振り続けた。
空港に入り、慣れた手つきで手続きを済ませ、搭乗ゲートへ。
名残惜しさを覚えつつ、ホワイトホースを後にした。
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